手作り焼き芋器


焼き芋、たかが焼き芋、されど焼き芋なのだ。
冬の季節は、月に1回くらい焼き芋を作るのだが、なかなか満足できるものができない。

随分前に、焼き芋器を自分で作った。
お菓子の入った、四角い缶。
一斗缶に対して、その高さが半分くらいの物。
そして、蓋がついていること。

まず、蓋に湯気抜き用の穴をあける。四隅に4か所。
その穴の縦横の中間に、全部で4か所穴をあける。
蓋の中央に温度計を差し込む用の、少し大き目の穴をあける。
近所の河原に行って、手頃な石を拾ってくる。
底から3pくらいになるように敷き詰める。
これで焼き芋器は完成。

これにサツマイモを並べて、ガスコンロで加熱する。
常温の状態から加熱を始める。(芋は最初から入れておく)
温度は110℃から130℃くらいの間に調整する。
15分経ったら芋を90度回す。
また15分(点火から30分)経ったら芋を90度回す。
また15分(点火から45分)経ったら芋を90度回す。
また15分(点火から60分)経ったら火を消す。

そのあと、1時間くらい放置すること。
温度は60℃くらいになる。
これで完成

これを家庭用ガスコンロでやると、中央付近の芋が焦げる。
うちには、業務用コンロがあって、火の輪が二重になっている。
缶の底の、火の当たる部分が分散するので、焦げることが少くなる。

紅はるか、紅あずま、安納黄金、安納紅であれば、自分好みのしっとりとした焼き芋になることが多い。
しっとりを通り越して、べちゃべちゃになることもある。

もっと難しいのは、個体差による違い。
同じ店、同じ日、同じ銘柄であっても、「ほくほく」と「べちゃべちゃ」に分かれたりする。
見ても触っても、違いは見つけられないのにだ。

そうこうしているうちに、初代焼き芋器が錆て、底が抜けてしまった。

最高の焼き芋を目指して、試行錯誤は続くのであった。




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