我が家の七輪


我が家には七輪がある。七厘と書くこともある。
関西ではカンテキと呼ぶこともあるらしい。

結婚して入った最初の社宅は5階建ての5階だった。
エレベータはついていなかった。
その部屋は、ルーフバルコニーがついていた。
60uくらいはあったのではなかろうか。
淀川から近く、高い建物も他になかったので、花火大会の花火がよくみえた。

花火の時期には、会社の同僚を集めて、よく焼肉をやった。
その時、七輪を購入した。
なぜか、アウトドア用のコンロは選択肢になかった。
何回か使っていると、落ちた油で真っ黒になるのだが、掃除はしない。
そのおかげで気楽に何回も使えた。
他の物を使っていたら、使用率が減って来たことだろう。

肉を焼くことよりも、魚を焼くことの方が多かった。
鯵の開きや、秋の秋刀魚。煙が出るのだが、ルーフバルコニーでやれば、その問題は回避できる。
おかげでアウトドア気分が十分味わえた。

何年かして名古屋に転勤になった。
3階建ての3階。階段から一番遠い奥の突き当たり。
もちろんエレベータはない。
通路の突き当りをいいことに、玄関の前で魚を焼いた。
玄関前の通路のほうが、バルコニーよりも広いのだ。

名古屋の面白いところは、さばいた生の鰻がスーパーで売っているのだ。
白焼の鰻を七輪でやいて、醤油をかけた大根おろしと一緒に食べると、とってもうまいのだ。
秋刀魚もよく焼いた。煙が気所迷惑になっていたのではないかと、ちょっと反省している。

その後、転勤や転職もして戸建てで暮らしている。
いまでも、週に3回くらい使っている。煙が少ないものは、換気扇の下でも使える。
買って来た食材を焼くだけで一品になるので、家内によろこばれている。
焼き魚は、居酒屋よりもずっと美味しいと、褒められたりもする。

使ったことのない人は、一度使ってみてほしい。




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